公開日:2026年4月12日

WBSとは?作り方とタスク分解のコツを解説【テンプレート付き】

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Webツール開発者(プロフィール

「WBSを作って」と言われて、「何それ?」となった経験はありませんか?

WBSはプロジェクト管理の基本中の基本ですが、略語だけが独り歩きしていて、意味や作り方を体系的に学ぶ機会は意外と少ないです。

この記事では、WBSの意味からタスク分解のコツ、具体的な作成例まで、実務で使えるレベルで解説します。

👉 WBSを入力してガントチャートに展開するにはガントチャート作成ツールをご利用ください。


WBSとは

WBSは Work Breakdown Structure(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー) の略で、日本語では「作業分解構成図」と訳されます。

やっていることはシンプルで、プロジェクトの成果物を「大→中→小」に分解して、作業の全体像をツリー構造で整理する手法です。

プロジェクト
├── 設計
│   ├── 要件定義
│   ├── 画面設計
│   └── DB設計
├── 開発
│   ├── フロントエンド実装
│   ├── バックエンド実装
│   └── API連携
└── テスト
    ├── 単体テスト
    ├── 結合テスト
    └── ユーザーテスト

WBSを作る目的は次の3つです。

  • 作業の漏れを防ぐ — 「あ、この作業忘れてた」を事前に潰す
  • 見積もり精度を上げる — 大きな塊より、小さな作業単位の方が正確に日数を見積もれる
  • 担当の割り振りを明確にする — 誰が何をやるのかをタスク単位で決められる

WBSとガントチャートの違い

WBSとガントチャートはセットで使われることが多いですが、役割は別です。

WBS = 「何をやるか」を整理するリスト

プロジェクトの作業を階層的に分解したもの。時間軸はありません。「設計→開発→テスト」のように作業の構造を整理するのが目的です。

ガントチャート = 「いつやるか」を示すスケジュール図

WBSで洗い出したタスクに開始日・終了日を付けて、横棒で時間軸上に配置したもの。進捗の可視化が目的です。

つまり、WBSで作業を洗い出す → ガントチャートでスケジュールに落とし込む、という順番で使います。WBSなしでいきなりガントチャートを作ると、タスクの漏れや粒度のバラつきが起きやすくなります。

ガントチャートの詳しい解説はガントチャートとは?作り方ガイドをご覧ください。


WBSの作り方(3ステップ)

ステップ1 — プロジェクトの成果物を定義する

最初に「このプロジェクトで何を完成させるのか」を明確にします。

悪い例:「Webサイトを作る」 良い例:「コーポレートサイト(トップ・会社概要・採用・問い合わせの4ページ)をリリースする」

ゴールが曖昧だと、分解の方向性がブレてタスクが際限なく増えていきます。

ステップ2 — 大カテゴリに分解する

成果物を3〜6個の大カテゴリ(フェーズ)に分けます。

分け方にはいくつかのパターンがあります。

  • 工程で分ける — 企画 → 設計 → 実装 → テスト → リリース
  • 成果物で分ける — トップページ / 会社概要ページ / 採用ページ / 問い合わせフォーム
  • 担当チームで分ける — デザイン / フロントエンド / バックエンド / インフラ

どれが正解ということはなく、プロジェクトの性質やチーム構成に合わせて選びます。迷ったら工程で分けるのが最もシンプルです。

ステップ3 — 作業レベルまで分解する

各カテゴリをさらに具体的な作業に分解します。ここがWBSの肝です。

分解の深さの目安は**「1人が1〜3日で完了できる粒度」**。これより大きいと進捗が見えにくくなり、これより小さいと管理コストが増えます。

分解の完了条件には「100%ルール」という原則があります。親タスクの作業 = 子タスクの作業の合計になっていること。つまり、子タスクを全て完了すれば親タスクも完了する状態です。

子タスクに漏れがあると100%にならず、プロジェクト途中で「この作業、誰もやってない」という事態が起きます。

👉 WBSが完成したらガントチャート作成ツールにタスクを入力すると、そのままスケジュールに展開できます。


WBSの具体例

例1:Web制作プロジェクト

カテゴリタスク目安日数
企画ヒアリング・要件整理2日
企画サイトマップ作成1日
企画見積もり・スケジュール提出1日
デザインワイヤーフレーム作成3日
デザインデザインカンプ作成5日
デザインクライアントレビュー・修正3日
実装HTML/CSSコーディング5日
実装JavaScript実装3日
実装CMS組み込み3日
テストブラウザテスト2日
テストクライアント確認3日
リリースサーバー設定・公開1日
リリース公開後チェック1日

例2:イベント企画

カテゴリタスク目安日数
会場会場候補のリストアップ1日
会場会場下見・予約3日
会場レイアウト決定1日
集客告知ページ作成2日
集客SNS・メール告知2日
集客参加者管理(受付リスト)1日
制作物スライド作成3日
制作物配布資料の印刷2日
制作物名札・受付表の準備1日
当日会場設営0.5日
当日受付・運営1日
当日撤収0.5日
振り返りアンケート集計1日
振り返り報告書作成2日

例3:新人研修の準備

カテゴリタスク目安日数
計画研修カリキュラム作成3日
計画講師アサイン・依頼2日
計画会議室予約0.5日
資料研修テキスト作成5日
資料社内システムの操作マニュアル更新3日
資料印刷・製本1日
環境PC・アカウント発行2日
環境座席配置の決定0.5日
実施研修の実施(5日間)5日
フォロー理解度テスト・フィードバック2日

座席配置の決定には座席表作成ツールも活用できます。


タスク分解のコツ

動詞で始める

タスク名は「設計」ではなく「画面設計を作成する」のように動詞で書くと、何をすればタスク完了なのかが明確になります。

良い例:「ワイヤーフレームを作成する」「ブラウザテストを実施する」「レビュー結果を反映する」

名詞だけだと「設計」のタスクが「設計を考えること」なのか「設計書を書くこと」なのか曖昧になります。

完了条件を決める

各タスクに「何をもって完了とするか」を決めておきます。

  • 「デザインカンプ作成」の完了条件 → クライアントからOKをもらった状態
  • 「テスト」の完了条件 → テスト項目を全件実施し、NGゼロの状態

完了条件がないと、「まだ終わってない気がする」とズルズル作業が続き、工程が遅れます。

分解しすぎない

「メールを送る」「ファイルを保存する」のようなレベルまで分解するのはやりすぎです。管理コストの方が高くなります。

迷ったときは「このタスクの進捗を上司やチームに報告する必要があるか?」と考えてみてください。報告する必要がないレベルの作業は、親タスクに含めてしまって構いません。


開発者ノート

WBSの作り方を解説する記事は多いですが、テンプレート(具体例)が充実しているものは意外と少ないです。「Web制作」「イベント企画」「新人研修」の3パターンを載せたのは、読者が自分のプロジェクトに近い例を見つけて、そのままタスクをコピーして使い始められるようにするためです。

curythm.comのガントチャート作成ツールにも「Web制作プロジェクト」「イベント準備」のテンプレートを内蔵しているので、WBSで洗い出したタスクをそのまま入力すれば、5分でガントチャートが完成します。

— nor(キュリズムラボ運営)


よくある質問

Q. WBSとは何の略ですか?

Work Breakdown Structure(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)の略で、日本語では「作業分解構成図」と訳されます。プロジェクトの作業を階層的に分解して整理する手法です。

Q. WBSとガントチャートの違いは?

WBSは「何をやるか」を整理するリスト(構造)で、ガントチャートは「いつやるか」を示すスケジュール図(時間軸)です。WBSで作業を洗い出し、ガントチャートで時間軸に展開するのが理想的な流れです。

Q. WBSのテンプレートはありますか?

この記事に3つの具体例(Web制作・イベント企画・新人研修)を掲載しています。また、ガントチャート作成ツールにもテンプレートが内蔵されており、タスクを入力するだけでWBS+ガントチャートが自動生成されます。

Q. タスク分解はどこまで細かくすべき?

「1人が1〜3日で完了できる粒度」が目安です。それより大きいと進捗が見えにくく、それより小さいと管理コストが増えます。「上司に進捗報告する必要があるか」を判断基準にすると分けやすいです。

Q. WBSからガントチャートに展開する方法は?

ガントチャート作成ツールにWBSのタスクを入力し、各タスクに開始日・終了日を設定すると、自動でガントチャートが生成されます。Excel・PNG・PDFで出力可能です。


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Curythm

Webディレクター。ブラウザ完結ツールを開発・運営。

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