「工程表を作ってみて」と先輩に言われたけど、何から手をつければいいか分からない——。新人のころに一度は経験する場面だと思います。
工程表は難しそうに見えますが、やることは「作業を書き出して、いつやるかを決めて、表にする」だけです。この記事では、初めて工程表を作る人でも迷わないように、5つのステップで手順を解説します。
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工程表とは
工程表とは、プロジェクトや業務の作業項目・担当者・スケジュールを一覧にまとめた表のことです。「誰が、何を、いつからいつまでやるのか」を可視化することで、全体の進捗を把握しやすくなります。
工程表があると嬉しい場面はこんなときです。
- 複数人で分担する作業の全体像を共有したい
- 納期に間に合うかどうかを事前に確認したい
- 進捗の遅れを早めに発見して対処したい
- 上司やクライアントに「いつ終わりますか?」と聞かれたときに答えたい
逆に言うと、一人で完結する小さなタスクにはToDoリストで十分です。工程表が力を発揮するのは「期間が数週間以上」「関係者が複数人」「作業の順番に依存関係がある」ようなプロジェクトです。
工程表の種類
工程表にはいくつかの種類がありますが、よく使われるのは次の2つです。
バーチャート工程表
縦軸に作業項目、横軸に日付を配置し、作業期間を横棒(バー)で示す形式です。最もシンプルで直感的に分かりやすく、「工程表」と言えばこの形式を指すことがほとんどです。
作成が簡単で、誰が見ても理解できるのが最大のメリット。一方で、作業同士の依存関係(「Aが終わらないとBに着手できない」など)は表現しにくいというデメリットがあります。
ガントチャート工程表
バーチャートと見た目は似ていますが、進捗率を棒の中に表現できるのが特徴です。「予定どおり進んでいるか」を視覚的に確認できるため、定期的な進捗報告に向いています。
本来の定義ではバーチャートとガントチャートは別物ですが、実務では混同されることが多く、「ガントチャート」と呼ばれているものの多くはバーチャート形式です。この記事でもまとめて扱います。
どれを選べばいい?
新人が初めて作るなら、バーチャート(ガントチャート)形式で十分です。ネットワーク工程表(PERT図)は大規模な建設プロジェクト向けで、一般的なビジネスでは使う場面が限られます。
工程表の作り方(5ステップ)
ステップ1 — 作業を洗い出す
まず、プロジェクトで必要な作業を全て書き出します。このとき意識したいのは粒度を揃えることです。
悪い例:「設計」「コーディング」「テスト」「細かい修正」 良い例:「画面設計」「DB設計」「フロント実装」「バックエンド実装」「単体テスト」「結合テスト」
目安は「1つのタスクが1人で1日〜3日で完了できる大きさ」です。大きすぎると進捗が見えなくなり、小さすぎると管理が煩雑になります。
タスクの洗い出し方についてはWBS(作業分解構成図)という手法が体系的です。詳しくはWBSとは?タスク分解のコツで解説しています。
ステップ2 — カテゴリに分類する
洗い出した作業を「設計」「開発」「テスト」「リリース」のような大分類(カテゴリ)に分けます。カテゴリで分けると、工程表が格段に見やすくなります。
カテゴリの例をいくつか挙げます。
- Web制作: 企画 → デザイン → 実装 → テスト → リリース
- イベント運営: 会場手配 → 集客 → 制作物準備 → 当日運営 → 振り返り
- 商品開発: 市場調査 → 仕様策定 → 試作 → 量産 → 販売開始
ステップ3 — 開始日と終了日を決める
各タスクに開始日と終了日(または所要日数)を設定します。ここで気をつけたいのは土日祝を考慮するかどうかです。
「5営業日」と「5日間」では、土日を挟むと終了日が2日ずれます。とくに納期が厳しいプロジェクトでは、営業日ベースで日数を計算した方が安全です。
👉 営業日の計算には営業日計算ツールが便利です。
ステップ4 — 担当者を割り当てる
各タスクに担当者を割り当てます。一人に作業が集中していないか、並行して進められるタスクはないかをこの段階で確認します。
担当者が決まっていないタスクは「未定」のまま残しても構いません。工程表は一度作ったら終わりではなく、プロジェクトの進行とともに更新していくものです。
ステップ5 — 工程表にまとめる
ここまでの情報を工程表の形式にまとめます。方法は大きく2つあります。
方法A:無料のブラウザツールで作る
タスク名・カテゴリ・開始日・終了日を入力するだけで、ガントチャートが自動生成されます。Excel・PNG・PDFで出力できるので、共有も簡単です。
方法B:Excelで作る
日付を横軸、タスクを縦軸に設定し、セルを塗りつぶして工程を表現します。自由度は高いですが、条件付き書式や関数(WEEKDAY, TEXT など)の知識が必要で、初心者にはハードルが高めです。
Excelで工程表を作る場合の注意点
Excelで作る場合に新人がつまずきやすいポイントをまとめます。
条件付き書式の設定が面倒。開始日・終了日の範囲に該当するセルを自動で色塗りするには、AND($C2<=E$1, $D2>=E$1) のような数式を条件付き書式に設定する必要があります。数式を間違えると色がズレるうえ、デバッグが難しいです。
土日祝のグレー表示。横軸の日付列に =TEXT(E1,"aaa") で曜日を出し、=OR(F1="土",F1="日") で条件付き書式を設定……と、やることが多い割に見た目の改善は地味です。
進捗管理の更新が手作業。進捗率を手動で入力し、バーの色を手動で変える運用になりがちで、更新を忘れると工程表が実態と乖離します。
ファイルの共有とバージョン管理。メールで添付すると「工程表_v3_最終_修正2.xlsx」のようなファイル名地獄になります。
これらの手間を避けたい場合は、ブラウザツールで作成してExcelに出力する方が効率的です。
工程表を上手に作る3つのコツ
コツ1 — バッファ(余裕日数)を入れる
全てのタスクをギリギリのスケジュールで組むと、1つの遅れが全体に波及します。各タスクに1〜2日、プロジェクト全体にも数日のバッファを確保しておくのが鉄則です。
とくに「レビュー待ち」「クライアント確認」のように自分でコントロールできない待ち時間は、想定より長くなりがちです。
コツ2 — マイルストーンを設定する
プロジェクトの中間地点に「ここまで終わっているべき」という目標日(マイルストーン)を置きます。「設計完了」「テスト開始」「リリース日」などがマイルストーンに該当します。
マイルストーンがあると、プロジェクトの半ばで「全体の何%まで進んでいるか」を判断しやすくなります。
コツ3 — 定期的に進捗を更新する
工程表は作って終わりではありません。最低でも週1回は進捗率を更新し、予定と実績のズレを確認しましょう。ズレが大きくなる前に手を打てるのが、工程表を使う最大のメリットです。
👉 ガントチャート作成ツールは .gantt.json 形式で保存・読み込みができるので、日々の進捗更新もブラウザで完結します。
開発者ノート
工程表やガントチャートの無料ツールはいくつかありますが、ほとんどが会員登録を求めるSaaS型か、JSONファイルをローカル保存する簡素なものでした。
「登録なしで使えて、Excelで出力できて、営業日ベースの日数計算もできる」ツールが欲しかったので自分で作りました。とくに営業日計算は、curythm.comの既存ツール(営業日計算・支払日計算・営業日カレンダー)と祝日データを共有しているので、正確さには自信があります。
新人が「とりあえず工程表を作ってみて」と言われたときに、5分で形にできるツールを目指しています。
— nor(キュリズムラボ運営)
よくある質問
Q. 工程表とは何ですか?
プロジェクトの作業項目・担当者・スケジュールを一覧にまとめた表です。「誰が、何を、いつからいつまでやるのか」を可視化し、進捗管理に使います。
Q. 工程表とガントチャートの違いは?
工程表は総称で、ガントチャートはその一形式です。ガントチャートは横棒で作業期間と進捗率を表現する形式で、工程表の中で最もよく使われています。詳しくはガントチャートとは?をご覧ください。
Q. 新人でも工程表を作れますか?
はい。タスクの洗い出し→カテゴリ分類→日程設定の3つができれば、あとはツールが形にしてくれます。最初は完璧を目指さず、まず作ってみて、レビューをもらいながら改善するのがおすすめです。
Q. 工程表をExcelで作る方法は?
日付を横軸、タスクを縦軸に設定し、セルを塗りつぶして期間を表現します。ただし条件付き書式の設定がやや複雑なので、初心者にはブラウザツールでの作成がおすすめです。
Q. 無料の工程表作成ツールはありますか?
はい。ガントチャート作成ツールは完全無料・登録不要で、ブラウザからアクセスするだけで使えます。Excel・PNG・PDFで出力可能です。
Q. 営業日ベースで日数を計算できますか?
はい。稼働日設定で土曜・日曜・祝日を個別に除外できます。お盆や年末年始など、組織独自の休日も追加可能です。
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