公開日:2026年5月19日 最終更新日:2026年5月19日

退職届は何日前まで?2週間前の数え方と退職日の決め方

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「退職届はいつまでに出せばいい?」「就業規則には1ヶ月前とあるけど2週間前で大丈夫?」——退職を考え始めた人が最初にぶつかる疑問です。

結論、期間の定めのない正社員(無期雇用)は民法627条により退職日の2週間前までに申し出れば退職が成立します。 就業規則に「1ヶ月前」とあっても民法が優先されます。

本記事では2週間前の数え方、就業規則との優先関係、月末退職と月中退職の社会保険への影響、退職届と退職願の違いを整理します。2026年5月時点の一般情報で、個別判断は弁護士・社労士への相談をおすすめします。


退職の2週間前ルール(民法627条)

民法627条1項は、期間の定めのない雇用契約について次のように定めています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

雇用契約の終了」とは、労働者と会社の労働契約が法的に解消されることを指します。つまり無期雇用の正社員は、退職届を出してから2週間が経過すれば会社の承諾がなくても自動的に退職が成立します。

ただし雇用形態によって扱いが異なる点に注意が必要です。

雇用形態退職申し出のルール根拠
無期雇用(正社員・無期パート等)2週間前までに申し出民法627条1項
有期雇用(契約社員・派遣等)原則として契約期間中は退職不可(やむを得ない事由があれば即時解除可)民法628条
有期雇用で契約開始から1年経過後いつでも退職可能(労基法附則137条)労働基準法
月給制で完全月給制の管理職等月の前半に申し出 → 当月末退職、後半なら翌月末民法627条2項・3項(議論あり)

月給制の正社員は1項が適用されると解されることが多く、実務では「2週間前まで」で問題ありません。


「2週間前」の数え方

民法140条には「期間の初日は算入しない」という初日不算入の原則があり、退職届の2週間にもこの原則が適用されます。

起算日は退職届を出した日の「翌日」

起算日(きさんび)」とは期間計算をスタートする最初の日のことです。退職届の場合、提出日(申入れの日)は数えず、翌日を1日目として14日間をカウントします。詳細は起算日とは?初日不算入の原則と数え方で解説しています。

具体例で見てみます。

  • 5月1日(金)に退職届を提出
  • 5月2日(土)が起算日(1日目)
  • 5月15日(金)= 14日目 → 経過をもって退職成立

つまり5月1日に退職届を出した場合、最短で5月16日付の退職が可能です。退職日を15日とするか16日とするかで実務上の解釈が分かれることもあるため、会社と日付を明確に合意しておくのが無難です。

土日祝も含めて数える

民法627条の2週間は「暦日(れきじつ)」ベースで計算します。暦日とはカレンダー上の日数のことで、土日祝日も1日として数えます。営業日ベースではない点に注意してください(営業日と暦日の違いは営業日の数え方で整理しています)。


就業規則と民法の優先関係

多くの会社の就業規則には「退職を希望する者は1ヶ月前までに申し出ること」といった規定があります。民法627条とどちらが優先されるのでしょうか。

法的には民法が優先される

民法627条は、労働者の退職の自由を保障する強行規定(当事者の合意で変更できないルール)として位置づけられるのが通説です。就業規則で「1ヶ月前」「3ヶ月前」と定めていても、労働者からの退職申し出を法的に縛る効力はないと解されています。

民法627条(2週間前)就業規則(例:1ヶ月前)
法的拘束力あり(強行規定)労働者側の退職には及ばないとする見解が有力
期間が経過すれば退職成立(民法が優先するため期間経過で成立)
会社の承諾不要不要

つまり「就業規則に1ヶ月前と書いてあるから辞められない」ということはありません。

円満退職のためには就業規則に沿うのが望ましい

ただし法的に成立することと円満に退職できることは別問題です。引き継ぎ不足による業務支障、損害賠償請求などの労使紛争(労働者と使用者の間のトラブル)リスク、退職金や有給消化での会社協力など、現実には調整事項があります。

可能であれば1ヶ月〜1.5ヶ月前に申し出るのが現実的です。法的には2週間前で問題なくても、退職代行に依頼するレベルでなければ社内ルールを尊重しておくほうがスムーズです。


月末退職 vs 月中退職の社会保険への影響

退職日を月末にするか月中にするかで社会保険料の負担が変わります。見落としやすいポイントです。

社会保険料の仕組み(資格喪失日ルール)

健康保険・厚生年金の保険料は資格喪失日の属する月の前月分まで徴収されます。資格喪失日は退職日の翌日です。

退職日資格喪失日当月の社会保険料
5月31日(月末)6月1日5月分まで会社経由で徴収(労使折半)
5月30日(月中)5月31日4月分までしか会社経由で徴収されない

月末退職と月中退職の比較

観点月末退職月中退職
当月の社会保険料労使折半で会社経由国民健康保険・国民年金へ切替
最終月の給与天引き2ヶ月分引かれる場合あり1ヶ月分のみ
切替手続き翌月から自分で退職月から14日以内に市区町村へ

どちらが得かは次の就職先の入社日・扶養家族・自治体の保険料水準で変わります。最終判断は社労士や年金事務所への相談をおすすめします。


退職届と退職願の違い

退職書類には「退職届」と「退職願」があり、法的な意味が異なります。

項目退職願退職届
性格申し出(合意解約の申込み)一方的通告(解約告知)
撤回会社の承諾まで撤回可能原則撤回不可
民法627条の起算会社が承諾した時点受領された時点

退職願は「退職させてください」というお願いで合意解約の申込みにあたり、会社の承諾まで撤回できます。退職届は労働者からの一方的な意思表示で会社の承諾を必要とせず、受領時点から民法627条の2週間がスタートし、原則撤回できません。

確実に辞めたい場合は退職届、まず相談したい場合は退職願という使い分けが基本です。


退職日の決め方の実例

ケース1:最短で辞めたい(2週間ルールのみ)

  • 5月19日(月)に退職届提出 → 5月20日(火)が起算日
  • 6月2日(月)= 14日目 → 6月3日(火)以降が退職日

ケース2:6月末退職を目標に有給を消化する

残有給10日があり6月30日付で退職したい場合、引き継ぎも確保して逆算します。

ステップ日付内容
退職届提出5月19日(月)1ヶ月以上前
引き継ぎ5月20日〜6月16日約4週間
有給消化6月17日〜6月30日10営業日
退職日6月30日(火)月末退職

有給休暇は入社後6ヶ月経過で初回付与されます。付与日の詳細は有給休暇はいつから取れる?を参照してください。


営業日ベースで退職日を考える

退職日の調整では「引き継ぎに10営業日確保したい」など営業日ベースの計算も発生します。土日祝を除いた営業日の数え方は営業日の数え方|3営業日・5営業日以内はいつまで?を参照、具体的な日付の自動計算は営業日計算ツールで起算日から終了日を一発算出できます。

退職日は次の3点をクロスチェックするとミスがありません。

  1. 暦日ベースの2週間(民法627条の最低ライン)
  2. 営業日ベースの引き継ぎ・有給消化
  3. 月末か月中か(社会保険料の影響)

よくある質問

Q. 退職届は何日前までに出せばいい? 民法627条により無期雇用なら2週間前で足ります。就業規則に「1ヶ月前」とあっても民法が優先されますが、円満退職や引き継ぎを考えると就業規則に沿うのが望ましいです。

Q. 「2週間前」は退職届を出した日を含む? 含みません。民法140条の初日不算入により提出日の翌日が1日目です。

Q. 月末退職と月中退職、どちらが得? 社会保険料の観点では月末退職が有利になりやすいです。月末なら当月分まで労使折半で済む一方、月中退職は国民健康保険・国民年金への切替が必要です。

Q. 退職届と退職願はどう違う? 退職願は合意解約の申込みで撤回可能、退職届は一方的な意思表示で提出時点から2週間が起算され、原則撤回不可です。

Q. 就業規則の「3ヶ月前」に従う必要がある? 民法627条が優先するため法的拘束力は乏しいですが、労使紛争を避けるため可能な範囲で就業規則に沿うのが安全です。


まとめ

  • 民法627条により無期雇用は退職日の2週間前までの申し出で退職成立
  • 2週間は初日不算入で、退職届提出の翌日から数える
  • 就業規則の「1ヶ月前」は法的拘束力に乏しいが、円満退職のため可能な範囲で従う
  • 月末退職は社会保険料が労使折半で済み、月中退職は国保・国民年金への切替が必要
  • 退職願は撤回可能な申し出、退職届は撤回不可の一方的通告

本記事は2026年5月時点の一般情報です。労使紛争や有期雇用・管理監督者など特殊ケースは、弁護士・社会保険労務士(社労士)・労働基準監督署などへ相談してください。

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Webディレクター。ブラウザ完結ツールを開発・運営。

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