「有給休暇はいつから取れるの?」「何日もらえるの?」——入社したばかりの方や転職直後の方が最初に気になるポイントです。
結論から言うと、有給休暇は入社から6ヶ月後・出勤率8割以上で10日が付与されます。 これは労働基準法第39条で定められた最低基準で、正社員・契約社員・パート・アルバイトを問わず適用されます(パートは比例付与)。
本記事では、起算日の数え方・勤続年数別の付与日数・中途入社やパートの扱い・出勤率8割の計算方法までを表で整理します。なお本記事の内容は2026年5月時点の情報です。
有給休暇の付与条件(労働基準法第39条)
労働基準法第39条が定める有給休暇の付与条件は次の2つです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ①雇入れの日から6ヶ月継続勤務 | 入社日から6ヶ月間、同じ会社で雇用関係が続いていること |
| ②全労働日の8割以上出勤 | 6ヶ月間の出勤率が80%以上であること |
この両方を満たした時点で10日間の有給休暇が付与されます。雇用形態は問わず、正社員でも契約社員でもパートでもアルバイトでも条件は同じです(パートは付与日数が比例計算)。
なお厚生労働省の公式情報や労働基準法第39条の本文は、最新版を公式情報で確認してください。本記事は2026年5月時点の制度に基づいて解説しています。
入社日からの起算日の数え方
「入社から6ヶ月後」の数え方は応当日方式です。応当日とは、起算日と同じ日付に対応する日のことを指します。
月初入社の場合
| 入社日 | 6ヶ月後の応当日(初回付与日) |
|---|---|
| 2026年4月1日 | 2026年10月1日 |
| 2026年5月1日 | 2026年11月1日 |
| 2026年10月1日 | 2027年4月1日 |
月途中入社の場合
| 入社日 | 6ヶ月後の応当日(初回付与日) |
|---|---|
| 2026年4月15日 | 2026年10月15日 |
| 2026年5月20日 | 2026年11月20日 |
| 2026年6月10日 | 2026年12月10日 |
月途中に入社した場合も、入社日と同じ日付の6ヶ月後が付与日になります。応当日が休日にあたっても付与日はずれません。
起算日の数え方そのものについては起算日とは?意味と数え方を解説で詳しく整理しています。営業日ベースでの日数の数え方は営業日の数え方を参照してください。
勤続年数別の付与日数早見表
初回付与の10日以降は、1年経過ごとに付与日数が増えます。勤続年数別の付与日数は次のとおりです。
| 勤続年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日 |
6年6ヶ月以降は20日で頭打ちとなり、それ以上勤続しても付与日数は増えません。たとえば2026年4月1日入社の場合、2回目の付与は2027年10月1日(11日)、3回目は2028年10月1日(12日)と続きます。
中途入社の有給はいつから?
中途入社の場合も、起算日は前職ではなく現在の会社の入社日です。前職での勤続年数は引き継がれません。
| 入社日 | 初回付与日 | 付与日数 |
|---|---|---|
| 2026年7月1日入社 | 2027年1月1日 | 10日 |
| 2026年10月15日入社 | 2027年4月15日 | 10日 |
ただし企業によっては、就業規則で入社時から有給を付与するまたは6ヶ月より早い時期に付与する独自ルールを設けている場合があります。これは法定基準を上回る運用として労働基準法上も認められており、入社時に就業規則を確認しておくと安心です。
パート・アルバイトの比例付与
週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者は、比例付与となります。
週所定労働日数別の付与日数
| 週所定労働日数 | 6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日(年169〜216日) | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日(年121〜168日) | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日(年73〜120日) | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日(年48〜72日) | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
なお週所定労働時間が30時間以上、または週所定労働日数が5日以上の場合は、正社員と同じ通常付与(初回10日)の対象となります。
出勤率8割の計算方法
出勤率の計算式は次のとおりです。
出勤率 = 出勤日数 ÷ 全労働日
「全労働日」は対象期間中に労働義務があった日数を指し、所定休日(土日祝など)は含まれません。
出勤日として扱われるもの
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 業務上の負傷・疾病による休業 | 出勤日扱い |
| 産前産後休業 | 出勤日扱い |
| 育児休業・介護休業 | 出勤日扱い |
| 年次有給休暇取得日 | 出勤日扱い |
| 自己都合の欠勤 | 出勤日に含まない |
| 会社都合の休業 | 全労働日から除外 |
つまり業務上のケガで長期休業していても、その期間は出勤したものとカウントされるため出勤率は下がりません。一方、自己都合での欠勤が多いと出勤率8割を下回り、その年は有給が付与されない可能性があります。
有給の使い方と消滅時効(2年)
有給休暇には2年の消滅時効があります(労働基準法第115条)。付与日から2年以内に使わなければ権利が消滅します。
繰り越しと最大保有日数の例
| タイミング | 付与日数 | 繰越分 | 合計保有日数 |
|---|---|---|---|
| 入社6ヶ月(初回付与) | 10日 | 0日 | 10日 |
| 1年6ヶ月(2回目付与) | 11日 | 最大10日 | 最大21日 |
| 2年6ヶ月(3回目付与) | 12日 | 最大11日 | 最大23日 |
前年度の未消化分は翌年度まで繰り越せますが、前々年度の分は時効で消滅します。したがってある時点で保有できる有給は「前年度繰越分+当年度付与分」が上限となります。
年5日の取得義務
2019年4月以降、年10日以上の有給が付与される労働者については年5日以上の取得が義務化されています。会社側に取得させる義務があり、違反すると30万円以下の罰金が科される場合があります。
起算日・付与日の確認にツールを活用
入社日から6ヶ月後の付与日を正確に知りたい場合や、勤続年数を計算したい場合は、経過日数の計算ができるツールが便利です。
年齢・経過日数計算ツールでは、入社日から今日までの経過日数や次の付与日までの残り日数を計算できます。営業日ベースで「あと何営業日で付与」を知りたい場合は営業日の数え方も参考になります。
また新卒入社で初任給がいつ振り込まれるか気になる方は新卒の手取りはいくら?で初任給と社会保険料・税金の関係を整理しています。
よくある質問
Q. 入社6ヶ月の数え方は?月途中に入社した場合はいつ付与されますか?
労働基準法上の「6ヶ月」は応当日方式で数えます。4月1日入社なら10月1日、4月15日入社なら10月15日が付与日です。
Q. 有給休暇は翌年に繰り越せますか?消滅時効は?
有給休暇の時効は労働基準法第115条により2年です。前年度の未消化分は翌年度まで繰り越せますが、2年経過すると消滅します。
Q. パート・アルバイトでも有給休暇は取れますか?
取れます。週所定労働日数が1日以上で、入社6ヶ月後・出勤率8割以上の条件を満たせば付与されます。フルタイムより少ない比例付与となります。
Q. 出勤率8割はどう計算しますか?休んだ日はどう扱われますか?
「出勤日数 ÷ 全労働日」で計算します。業務上の負傷・疾病による休業、産前産後休業、育児・介護休業、年次有給休暇取得日は出勤したものとして扱います。
Q. 退職時に残った有給休暇はどうなりますか?
退職日までに消化するか、会社が買い取るかのいずれかです。買い取り義務はないため、未消化分は退職日とともに消滅します。


